こんな顔して結構病んでるおもち君だよ。
病んでるおもち君も好きー!
おもちちゃんしか勝たん!!
THE END
じゃなくてー!
今日はそんな病んでるおもち君が大好きな中村文則さんの小説「悪と仮面のルール」のレビューだよ。
中村文則さんの作品はたくさんは知らないんだけど、きっとこの人の本を読んだら心の奥底にある闇の部分が作品に触発されて出てきそうだから不用意には読めないんだよね。
覚悟を決めて読まないと。
「悪と仮面のルール」について
2010年6月に講談社創業100周年記念「書き下ろし100冊」作品として刊行されたミステリー小説。
英訳版 (EVIL AND THE MASK) が、ウォール・ストリート・ジャーナル紙の2013年ベストミステリーの10作品に選ばれたりと日本だけでなく海外でも評価の高い作品だ。
玉木宏主演で映画化もされたから知名度は結構高めだね。
作者について
この本の作者、中村文則さんは1977年9月2日生まれの愛知県出身。
2002年に「銃」で新潮新人賞を受賞してデビューし同作品は芥川賞候補となった。
3年後の「土の中の子供」で芥川賞を受賞し、それ以降の作品は英訳版が海外で評価され、現在18ヵ国で翻訳刊行されている。
参考サイト:小説家 中村文則公式サイト -プロフィール-(更新2023年10月5日)最終閲覧2024年7月25日http://www.nakamurafuminori.jp/profile.html
「悪と仮面のルール」の簡単なあらすじ
主人公は幼少期から邪の家系を継ぐ者として育てられる。
同じ家で過ごしている養子の女の子に好意を抱いていた主人公は、父によって女の子が損なわれると知り、女の子を守るために父を殺害しようと計画する。
成長していくうちに自分が父親に似てきていると感じ、殺人犯としての自分に決別しようと整形し顔を変え、他人の身分を手に入れて違う人間の人生を歩むことを決める。
しかし身分を変えても平穏な人生は訪れることなく、警察に追われることとなる。
「悪と仮面のルール」のレビュー
ニュースでは毎日のように誰かが殺されたことを報道し、殺人犯はまるで欠陥品のように扱われている。
被害者については可哀想だと同情の声が上がるけど、加害者については厳しい世の中だよね。
勿論、どんな理由があれ殺人は許されることではないけど、自分が生きるためにやむを得ず殺してしまったとしても100%殺したほうが悪いと言えるのだろうか。
法律に反すること=悪という構図に疑問を抱く人が少ないと思うのは僕だけだろうか。
この作品は人間はどういう生き物なのか、悪とは一体何なのか、ということを読んだ人に問いかけているように感じた。
また、人を殺してしまった人間がどういう気持ちになるのか、どういう人生を生きることになるのか、っていうことについて主人公の心の葛藤が生々しく描かれている。
ただの善悪がどうのっていう話じゃなくて、殺人を犯してしまった人の心の内がリアルに描かれていて、ちょっと立ち止まって加害者の気持ちを考えさせられるきっかけとなった。
自分がやらなきゃ殺されるっていう状況になった場合、罪を犯さないことを優先するのか、それとも罪を犯してでも生きることを選ぶのか、どっちが正解とも言えないし、こういう状況の人は本の中だけじゃなくリアルにもいると思った。
ただ、生きるために仕方なくとは言え、人を殺してしまったら、刑罰としての罪じゃなくある意味呪いのように苦しめ続けられることになる。それがなんともやるせない。
一応この作品はミステリーなんだけど、一人の人間の存在が主人公の人生を大きく変えているっていうところは、ミステリーじゃなく純愛小説を読んでいるかのようだった。
関連作品の紹介
「悪と仮面のルール」の関連作品について紹介するよ。
僕は嘘書けないタイプだからそこんとこよろしくね。
玉木宏主演映画「悪と仮面のルール」
2018年1月に玉木宏主演で映画が公開されていてDVD化されている。
ただ、人間の深い部分を表現している小説を映画化するのはなかなか難しい。
「悪と仮面のルール」はジャンルとしてはミステリーだけど、純文学の要素が強いからか映像化が成功しているとは思えなかった。
なんとなくあらすじが知りたい、ぐらいなら観てもいいかな!
あと演技力云々じゃなくて、玉木宏は爽やかで良い人っていうイメージが僕の中にあるからかこの作品の主人公のイメージとは違うかな、っていう感じがした。(のだめカンタービレの影響)
映画のサントラ
映画のほうは辛口コメントをしてしまったけど、映画のサントラは素晴らしかった!
重々しくて物悲しさがあって、緊迫感もある。
小説読みながらこのサントラ聴いたら多分良い意味で沈むよ(良い意味とは)。
映画「悪と仮面のルール」オリジナル・サウンドトラック
まとめ
中村文則さんの作品は、人間の内側をグロテスクに描いている作品が多く、普段見て見ぬふりをしていたい感情をも呼び起こしてしまいそうになるんだ。
「悪と仮面のルール」は殺人を軸に一人の人間の人生の一部を描いている作品だよ。
他人の人生を生きるということについて書かれている点では、松本清張の「砂の器」を彷彿とさせる。
ミステリー好きよりも、純文学や哲学が好きな人におすすめする一冊だよ。
是非「悪と仮面のルール」を読んで、本当の悪って何なのかを考えてみてね。。
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