もちもちおもちのおもち君だよ。
今日はおすすめのSF小説を紹介するよ!
SF?らいとせーばあああああああああああああ!!
スターウォーズは知ってるんだね・・・
SF小説とは
SFはサイエンスファンタジーの略で、自然科学に基づいた創作のことで、わかりやすく言えば科学的な創作小説のことをSF小説って言うんだ。
SFっていうとなんとなく宇宙の話みたいなイメージがあるけど、宇宙だけじゃなくてもっと広域のジャンルとして存在するんだ。
(SFはスペースファンタジーの略じゃないよ)
例えばドラえもんもSFなんだ。
あとは攻殻機動隊、エヴァンゲリオン、ガンダムなんかもSFだね。
SF小説のおすすめ50選を紹介
X(旧Twitter)とInstagramのThreadsで読書が好きな人におすすめのSF小説を教えてもらったよ。その中からとくにおすすめしたい50冊を厳選して僕の好みと独断と偏見でランキングにしたんだ。
読書好きの人から紹介してもらった本だから中にはニッチなものもあるし、隠れた名作もあると思うんだ。
今回は日本と海外両方合わせたランキングだよ。前編の25作品を紹介するね!
レッツゴーランキング!!
SF小説ランキング1位~25位の一覧
【順位】タイトル | 著者 |
【1位】三体 | 劉 慈欣 |
【2位】月は無慈悲な女王 | ロバート・A.ハインライン |
【3位】アンドロイドは電気羊の夢を見るか | フィリップ・K・ディック |
【4位】エンダーのゲーム | オースン・スコット・カード |
【5位】夏への扉 | ロバート・A.ハインライン |
【6位】アルジャーノンに花束を | ダニエルキイス |
【7位】マーダーボットダイアリー | マーサ・ウェルズ |
【8位】プロバビリティムーン | ナンシー・クレス |
【9位】虐殺器官 | 伊藤 計劃 |
【10位】星を継ぐもの | ホーガン |
【11位】華氏451度 | レイ・ブラッドベリ |
【12位】なめらかな世界と、その敵 | 伴名練 |
【13位】ハーモニー | 伊藤 計劃 |
【14位】銀河英雄伝説 | 田中芳樹 |
【15位】地球幼年期の終わり | アーサー・Cクラーク |
【16位】project HAIL Mary | アンディ・ウィアー |
【17位】1984 | ジョージ・オーウェル |
【18位】叛逆航路 | アン・レッキー |
【19位】たったひとつの冴えたやりかた | ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア |
【20位】あなたの人生の物語 | テッド・チャン |
【21位】ニューロマンサー | ウィリアム・フォード・ギブスン |
【22位】マルドゥクスクランブル初代三部作 | 冲方 丁 |
【23位】天冥の標 | 小川一水 |
【24位】紙の動物園 | ケン・リュウ |
【25位】デューン砂の惑星 | フランク・ハーバート |
1位~10位
SF小説はほとんど読んだことがない人はここから探せば間違いない!
読書家もそうでない人も絶対楽しめるSF小説だよ。
【1位】三体/劉 慈欣
人類の運命を左右するかもしれないプロジェクト、世界的な科学者の連続自殺、その陰に見え隠れする学術団体へ潜入。科学的にはあり得ない怪現象ゴーストカウントダウンの襲来。3つの太陽を持つ星を舞台にしたVRゲーム「三体」で待ち受ける驚くべき真実とは・・・。
中国で最も人気のあるSF小説の1つ。数々のSF賞をとって世界的にも有名な小説なんだ。
タイトルの通り小説の設定にはニュートン力学の三体問題がある。
三体星人と地球人との闘いや、三体星人を受け入れようとする組織の陰謀などハラハラした展開が待っている。
【2位】月は無慈悲な夜の女王/ロバート・A.ハインライン
月は地球の植民地として不当な扱いを受けてきた。
月の政府は地球からの独立を掲げ革命を起こす。宇宙船もミサイルもない月世界人の革命の先頭を切ったのはコンピュータ技術者マニーと、自意識を持つ巨大コンピュータのマイクだった。
今度は地球人と月世界人の話。
政治的、経済的、哲学的な要素が強い小説だけど、重々しくはなく楽しみながら読める一作。
資源は有限ということを忘れがちな現代人には考えさせられる部分が多いと思う。
アメリカ的な話、と言ったらいいのかな、海外文学が好きな人のほうが好みそうな傾向のある本。
【3位】アンドロイドは電気羊の夢を見るか/フィリップ・K・ディック
第三次大戦後、放射能灰が降り注ぐ地球では生きた動物を持つということが地位の象徴になっていた。人工の電気羊しかもっていないリックは、本物の動物を手に入れるため、火星から逃亡してきたアンドロイド8人の首にかけられた莫大な懸賞金を狙って狩りを始める。
僕の大好きな本。SFってすごく哲学的、心理学的な要素あるんだなーって思った本。
映画「ブレードランナー」の原作だよ。SF読んだことない人にまずおすすめしたい本の1つ。
アンドロイドとの闘いなんだけど、ただアクションってわけじゃなくて知能を持ってるからアンドロイドと人間って何が違うんだろうとかそういうの考えさせられるんだよね。
あとこの装丁がかっこよくない?ほんと好き。
【4位】エンダーのゲーム/オースン・スコット・カード
地球は容赦なく殺戮を繰り返し話合いにも応じない昆虫型異星人バガーの侵攻をかろうじて撃退。次の戦いに備えて育成機関バトルスクールを設立した。そこであらゆる訓練で最高の成績をおさめた天才少年エンダーの成長を描いた物語。
あらすじだけ読むとバガーとエンダーの戦いが繰り広げられる話か!?と思いそうだけど、そうじゃないんだよね。
これはエンダーの成長に重点が置かれた話で、いじめ、人間関係、人生観、異文化コミュニケーション、国際関係と色んな要素が上手くストーリーに組み込まれているんだ。
爽快なバトルもの!じゃあなくてエンダーの心情とか人間関係の陰鬱な感じが描かれてるよ。
元の長編版は絶版状態だったんだけど、2012年に映画化されてそれに合わせて新訳版が上下2巻で発売されたよ。
【5位】夏への扉/ロバート・A.ハインライン
親友と恋人に裏切られ、会社を追われ、研究者の命とも言える発明までだましとられてしまったダンは冷凍睡眠で30年後の2000年へと送りこまれる。ダンは失ったものを取り戻せるのか・・・。
1956年に発売された古典的なSF小説の傑作。
冷凍睡眠(コールドスリープ)とタイムマシンを使ったタイムトラベルもの。
でも全体を通して科学的な難しさとか理屈っぽさはあんまりなくて読みやすい。
後半からの展開が面白くてラストまで一気に読みたくなるんだよね。
あと猫がかわいい。
【6位】アルジャーノンに花束を/ダニエル・キイス
人工的にIQを上げる、32歳だけど幼児並の知能しかないチャーリーはその被験者になることを決める。一緒に実験を受けることになった白ねずみのアルジャーノンを競争相手に天才へと変貌していくチャーリーの喜びや悲しみ、孤独を描くストーリー。
SFのジャンルにとどまることのない、ダニエル・キイスの名作中の名作。
僕の世代だとユースケ・サンタマリア主演のドラマがヒットしていたね。
僕もドラマから知った口なんだけど、やっぱり原作が一番だよね。
知能が上がったことで今まで知らなかったことを知るチャーリー。
幸せって何なのかを深く考えさせられたし、最後は泣いた・・・。
アルジャーノンと自分を照らし合わせる時のチャーリーの気持ちを考えるとね・・・。
【7位】マーダーボットダイアリー/マーサ・ウェルズ
かつて重大事件を起こし記憶を消されている人型警備ユニットの「弊機」の手記形式で語られる物語。自分をハッキングして自由になった弊機は惑星調査隊の警備に派遣された。依頼主を守ろうとするがその先に待ち受けるのは・・・。
ロボットの手記っていうのがまず面白いよね。それからこのロボットの面白いところは、連続ドラマにハマってたり、ちょっとめんどくさがりな所があったり、人間臭いところがあるとこなんだ。
ロボットならではの視点とロボットらしからぬ性格の掛け合わせがユーモラスで読みやすさも抜群。
原作がどういう雰囲気なのかはわからないけど、訳し方がすごく良いなと思った作品でもある。
【8位】プロバビリティムーン/ナンシー・クレス
22世紀半ば、不思議な建造物「スペーストンネル」が太陽系外縁で発見された。このトンネルは人類に外宇宙への扉を開きいくつもの新世界が見つかる。そこで人類は異性種族と遭遇し交戦状態に。苦しい戦いを強いられた人類は新世界「世界」で戦況を一変させる力を秘めた人工物が発見した。
プロバビリティ3部作の1作目。
異性種族との戦闘の話か!?と思いきや、人類と新世界「世界(ワールド)」の住人との文化的対立を描いたドラマ。
3部作だからこれ1冊では完結しないけど全部読んでみたくなる1冊だね。
戦闘物を求めている人には向かない本だけど、SFの科学的な世界観だけじゃなく美しさを表現しているファンタジーの要素も求めている人にはおすすめ。
【9位】虐殺器官/伊藤 計劃
9・11以降、先進国が徹底したセキュリティー管理でテロを一掃する一方、途上国では内戦や大規模な虐殺が増加しつつあった。世界各地の紛争や虐殺の陰で暗躍する謎の男と、彼を追う特殊部隊兵士の戦いを描いた近未来アクション。
タイトルがまず惹かれるよね。
戦争の大義、自由、尊厳、罪、贖罪、そして平和とは、と哲学的に考えさせられるお話。
登場人物みんなが罪を背負っていて自分の、もしくは任されたことへの正義に基づいて行動している様は善悪の定義って何だろうって問われてる気持ちになる。
アニメと漫画化されているけど僕はどっちもまだ観たことがないんだ。
調べたらFODプレミアムとdアニメストアを契約してると無料で観れるみたいだよ。
あとDMM TVは月額登録でも観れるけど、レンタルがあるからすぐ観るならレンタル購入すれば月額契約しなくても観れるからいいね。初月は無料だから無料期間に観るのもありだね。
【10位】星を継ぐもの/ジェイムズ・P・ホーガン
真紅の宇宙服をまとった死体が月面で発見され、調査の結果驚きの事実が判明する。死体は月面基地の人間でもなければこの世界の住人でさえなかった。調査チームに招集されたハント博士が彼の正体と大きな謎に挑む。
ハント博士が謎の死体の正体やその他の宇宙の謎に迫るミステリーとか推理小説的なSF小説。
ハードSF小説で少し難しい単語や専門用語が使われているから読むのが難しいと感じる人もいるかもしれないけど、それでも先を読みたくなる面白さがある。
星を継ぐものはシリーズもので続編に「ガニメデの優しい巨人」、「巨人たちの星」、「内なる宇宙」、「Mission to Minerva」(未訳)があって、「巨人たちの星シリーズ」と総称されているんだ。
シリーズ最終章のミネルヴァ計画(仮題)は刊行が決定されているんだけど2023年冬からずっと延期していてまだ発売されていないんだ。
あとコミック版が全4冊で出ててこっちは「巨人たちの星」までの内容が描かれているよ。
11位~20位
11位から20位とは言っても、10位圏内に入ってもおかしくない名作ばかりだよ。
レッツランキーング!
【11位】華氏451度/レイ・ブラッドベリ
華氏451度──この温度で書物の紙は引火し、そして燃える。本を所有することが禁じられた社会。本があればその家ごと燃やしてしまう。昇火士(ファイアマン)のひとりモンターグは風変りな少女と出会い彼の人生は劇的に変わってゆく。
華氏451度は1975年に書かれたものだけど現在の社会にも通じるところがある。
本離れが進んで、ネット、テレビ、SNSなんかの刹那的娯楽にばかり目を向けて人や社会に対する思考が低下していくことの警鐘としてこの本はあるように思う。
自分で考えることをやめ、ただ与えられる情報に身を任すことがどれだけ危険なことかということを考えさせられる一冊。
【12位】なめらかな世界と、その敵/伴名練
並行世界を行き来する少女たちの1度きりの青春を描いた表題作「なめらかな世界と、その敵」の他、「ゼロ年代の臨界点」「美亜羽へ贈る拳銃」「ホーリーアイアンメイデン」 「シンギュラリティ・ソヴィエト」「ひかりより速く、ゆるやかに」の6作の短編SF小説。
この作品はX(旧Twitter)の関根健人さんから紹介していただきました。
これからの日本SFを引っ張っていくであろう、伴名練さんの『なめらかな世界と、その敵』(早川書房)がおすすめです。 伴名さんは自他ともに認めるSFオタクで、モチーフ・プロット・技巧の冴えわたる、多種多様なSF短篇に酔いしれることができます。珠玉の短篇集です。ぜひ。
SFが苦手な人でもすいすい読めるとかなりの評判の短編集。
とにかく絶賛されてるから次に読む本が決まってない人は是非読んでみてほしい。
【13位】ハーモニー/伊藤 計劃
2019年、アメリカで発生した暴動をきっかけに、全世界で戦争と未知のウイルスが蔓延した「大災禍(ザ・メイルストロム)」の後、新たな統治機構(生府)の下で高度な医療経済社会が築かれた。この社会体制では、人々自身が公共のリソースとされ、社会のために健康・幸福であることが義務とされた。半世紀を経た頃、女子高生の霧慧トァンは、生府の掲げる健康・幸福社会を憎悪する御冷ミァハに共感し、友人の零下堂キアンと共に自殺を図ることにする。
「虐殺器官」の作者、伊藤 計劃の最高傑作とも言われる作品。
人から自我を排除し、悲しみも喜びも憎しみも、そして争いもなくせば究極のユートピアが実現できるのではないかという。
ユートピアを目指すディストピアな話。
結局それじゃあ人間が人間である理由も価値もなくなってしまうんじゃないだろうか。
この小説を知った僕が思ったのはエヴァンゲリオンに似てるってこと。
人類補完計画はある意味ユートピアの実現だし、それに抗う碇シンジやミサトが「ハーモニー」の主人公たちに重なった。
【14位】銀河英雄伝説/田中芳樹
今から数千年も先の未来世界。宇宙に進出した人類は皇帝と貴族が支配する「銀河帝国」と、民主主義を掲げる「自由惑星同盟」に分かれ、長期戦争を続けていた。戦争はすっかり膠着し一向に終結する気配を見せなかったが、ラインハルトとヤンという革命的英雄が両陣営に現れ、停滞していた戦争に大きな動きをもたらす。「常勝の天才」と呼ばれるラインハルトと、「不敗の魔術師」と呼ばれるヤンは、軍を率いて何度も激突する。
アニメが大人気の銀河英雄伝説は勿論原作小説も人気があるよ。
架空の歴史的ドラマで人間関係や政治問題、戦略術なんかが緻密に描かれているよ。
アニメはAmazonPrimeビデオで外伝も含めほとんどの作品が観られるからおすすめだよ。
【15位】地球幼年期の終わり/アーサー・C・クラーク
宇宙進出を目前にした人類だったが、全世界の大都市上空に未知の大宇宙船団が降下してきた。彼らは人類とは比較にならない科学技術を備えた全能者だった。彼らは国連事務総長のみを交渉相手として人類を全面的に管理し、ついに地球に理想社会がもたらされたが・・・。
人類に直接干渉せず、あくまで「監視者」として振る舞う姿勢は、単なる侵略や支配の物語ではない、独自の知性と冷徹な観察者の存在を感じさせ、緊張感が漂いうよ。
個人よりも「種の進化」という壮大なスケールの物語として、読者に深い感銘を与える作品なんだ。
『地球幼年期の終わり』の結末は、壮大でありながらも切なさが漂う。
人類が迎える運命は、希望と絶望、未来と過去が交錯するクラークならではの美しい余韻を残して、読者に様々な解釈を与える余地を残しているんだ。
科学的な進化論と哲学的な考察が融合して、人類の存在そのものについて深く考えさせられる結末は、多くのSFファンに強烈な印象を与えるよ
地球幼年期の終わりは映画にもなってるよ。
【16位】project HAIL Mary/アンディ・ウィアー
『プロジェクト・ヘイル・メアリー』(Project Hail Mary)は、アンディ・ウィアーが2021年に発表したSF小説で、世界を救うために奮闘する一人の科学者と、彼が宇宙で出会う驚くべき存在との友情と冒険を描いた作品。ウィアーの代表作『火星の人』と同様、科学的知識を活かしたストーリー展開とユーモアが特徴で、科学ファンにも人気を博している。
ウィアー作品らしく、科学的な知識や理論が精密に描かれているんだ。
物理学や化学の知識を駆使して問題を解決していくライランドの過程が興味深くて、科学ファンにとっても納得感のある展開が魅力なんだ。
シリアスなシチュエーションであってもユーモアを忘れない主人公のキャラクターは、読者に楽しさと親近感をもたらすよ。
宇宙空間の厳しい環境で、限られた資源と時間の中で問題を解決していく緊迫感が見どころなんだ。
2026年3月20日に映画も公開されるんだ。楽しみー!
【17位】1984/ジョージ・オーウェル
主人公ウィンストン・スミスは、真実の改ざんや情報の操作を行う「真理省」に勤務している。オセアニアでは、厳しい監視体制が敷かれており、全ての市民が「テレスクリーン」によって監視されている。市民は、党の教えに従うことを求められ、少しでも疑念を抱くと「思想犯罪」として処罰される。ウィンストンは密かに党の支配に疑問を持ち、思想の自由や過去の真実について関心を抱き始める。しかし党は、人々が反抗心を抱くことさえ不可能にするために、彼らの内面までをも制圧していく。
ウィンストンは「個人としての自由」を取り戻そうするんだけど、厳しい体制によって次第に希望が打ち砕かれていくんだ。作者オーウェルは、個人の尊厳が失われ、徹底的に支配されることの悲劇を描くことで、「自由」の意味を強く問いかけているんだ。
ディストピア小説の名作中の名作だよ。
作中で「ニュースピーク」ていう新しい言語が導入されてるんだけどこの言語は意図的に語彙を削って、自由な発想ができないように構成されていて、支配体制が人々の思考そのものをコントロールする方法が描かれてるんだ。
言葉と思想が密接に結びついているっていう、言語に対する哲学的な見方も見どころの1つだよ。
1984年は映画もあるしマンガもあるよ。
【18位】叛逆航路/アン・レッキー
物語は、広大な宇宙帝国ラドチの支配下で進行する。ラドチ帝国では征服した人々を「アンシラリー」として取り込み、彼らの体を使って人工知能(AI)に支配された兵士として運用しているんだ。かつて帝国に仕え、複数のアンシラリーを操っていた宇宙船のAIでだった「ブレク」は、ある陰謀により船体を破壊され、ただ一つの肉体に縛られてしまう。ブレクはラドチ帝国と皇帝への復讐を誓い、旅を続けながら人間らしさを取り戻そうとする。
『叛逆航路』は、アン・レッキーが描く革新的なSF作品で、ヒューゴー賞やネビュラ賞など主要なSF文学賞を総なめにした作品なんだ。
ブレクは宇宙船のAIから人間の身体になり、徐々に「個」としての自分を形成していく様子が興味深いポイントだよ。
ブレクの成長は、人間とは何かを問いかけ、自己のアイデンティティと向き合う過程が描かれているんだ。
【19位】たったひとつの冴えたやりかた/ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア
16歳の少女コーリイは宇宙での冒険に憧れ、一人で小型宇宙船を操縦して宇宙旅行に出発する。旅の途中、コーリイは奇妙な宇宙生物と接触するが、その生物は「脳寄生体」と呼ばれる寄生生物だった。寄生体はコーリイに取り付き、彼女と精神的に結びつく。寄生体と心を通わせるうち、コーリイは寄生体の望みや、同時にそれが自分の命を脅かしていることに気づく。最終的にコーリイは、寄生体の目的と自らの望みの間で葛藤しながらも、自らと仲間たちのための「たったひとつの冴えたやり方」を選び、勇気ある決断を下す。
コーリイはまだ16歳だけど、宇宙への好奇心と独立心が強く、困難に直面しても勇敢に立ち向かうんだ。
未熟ながらも成長して、最終的には自らの生命や安全を顧みずに決断する姿が感動的で、共感を呼ぶ作品になってるんだ。
単なる冒険のお話じゃなくて、「生命とは何か」「個人の自己犠牲とは何か」という深い問いも作品に込められているよ。
【20位】あなたの人生の物語/テッド・チャン
言語学者のルイーズ・バンクスは地球に突然飛来した異星人「ヘプタポッド」と呼ばれる存在との意思疎通が試みられる中、彼らの言語を解読するという重要な役割を担う。この「ヘプタポッド語」は、時間の流れを直線的ではなく、全体として認識する特異なもので、ルイーズはこの言語を理解するにつれ、過去と未来が同時に存在するような新たな時間感覚を獲得していく。
テッド・チャンは「サピア=ウォーフの仮説」(言語が認知に影響を及ぼすという理論)をベースに、言語が異なる認識を生むという深遠なテーマを探求しているんだ。
過去と未来が同時に存在するような新たな時間感覚の中で、未来を知りながらもそれを受け入れて、たとえそれが悲劇的な結末だとしても、今ある時間を大事に生きていくという選択は人生の儚さと美しさを感じられるよ。
21位~25位
SF小説おすすめ50作品、前編のラストスパート!
レッツランキーング!!
【21位】ニューロマンサー/ウィリアム・フォード・ギブスン
元「カウボーイ」(ハッカー)であるケイスはかつて違法ハッキングで活躍していたが、クライアントの報復で神経を破壊され、再びサイバースペースにアクセスすることができなくなってしまう。絶望した彼は日本の犯罪都市チバ・シティで堕落した生活を送っていたが、謎の人物アーミテイジに雇われ、サイバースペースへの再アクセスを条件に一つのミッションを引き受ける。ミッションの内容は、強力な人工知能「ニューロマンサー」と「ウィンター・ミュート」を統合させること。この目的のため、ケイスは義手を持つ戦士の女性モリイとチームを組み、過酷なサイバースペースでの戦いと陰謀渦巻く現実世界の両方を駆け抜けていく。
SFのサブジャンルでサイバーパンクっていうのがあるんだけど、まさにそれ。
人口知能など高度なテクノロジーが発達した社会で、抑圧的な支配や腐敗した体制などのディストピアに反抗する姿勢が描かれた作品のことなんだ。
あらすじだけだとちょっとわかりづらいかもしれないけど、アニメやゲームで大人気の.hack(ドットハック)みたいに人間の意識がコンピューターの中に入ってイメージ通りに中の自分を操るあの感じに似てる。
これを1984年に書いたんだからすごいよね。
AIと人間の境界、意識と自我、自由意志と統合など、哲学的なテーマが深く掘り下げられていて、未来社会におけるAIの役割について考察しているんだ。
この本結構読みにくくて、美しい悪文とでも表現したらいいかな。わかりづらいけどなんか文体に魅力がある、みたいな感じで読者を選ぶ作品だね。
【22位】マルドゥック・スクランブル(初代三部作)/冲方 丁
過酷な人生を送ってきた15歳の少女バロットは、殺人罪などの罪を巧みに隠して暗躍する謎の企業家シェルによって拾われる。しかし、シェルはバロットを手元に置きながらも利用し、彼女を消そうと画策する。シェルの罠で重傷を負ったバロットは、「スクランブル09」という特例措置によって救われ、身体を強化されて生き延びることに。目覚めたバロットは、高度な技術で再生された身体に新たな能力を得て、変形する人工生命体である「ウフコック」という金属生命体のパートナーと共にシェルへの復讐を決意。彼女はシェルの悪事を暴くため、法や陰謀に立ち向かいながら壮絶な戦いに挑むことになる。
こちらもサイバーパンク小説。
バロットの復讐心と再生への葛藤が描かれているよ。
バロットは、傷ついた過去と向き合い、ウフコックとの絆を深めながら自らの生き方を再定義していく。単なる復讐劇じゃなく、彼女が自身を取り戻す過程が丁寧に描かれていて、バロットの成長を見守る楽しさもあるんだ。
スリリングなアクションシーンや緊張感あふれる対決が多くて、読者を引き込むスピード感がたまらない。
三部作っていうのは「The First Compression 圧縮」「The Second Combustion 燃焼」「The Third Exhaust 排気」のことで、これは漫画やアニメ映画にもなってるんだ。
【23位】天冥の標/小川一水
第1巻『メニー・メニー・シープ』から物語は始まり、異星生物の侵略や未知のウイルスの脅威、無名機関の陰謀など、次々と襲いかかる試練に対し、人類は生き残りをかけた選択を迫られていく。物語が進むにつれて、人類の未来に関わる重大な秘密が明らかになり、シリーズ全体を通じて「人類とは何か」「生きる意味」といった哲学的なテーマが浮かび上がる。
全10巻計17冊もある大作。日本SF界の金字塔ともされている作品なんだ。
太陽系を越えた宇宙で生き延びる人類の姿が描かれ、彼らが遭遇する様々な脅威や謎の勢力「無名機関」、そして彼らの運命を左右する「天冥の標」と呼ばれる未知の存在が描かているよ。
物語は数百年の時代をまたぎ、異星文明、異種生命体、人類の政治的対立や遺伝子工学の進歩など、多岐にわたるエピソードが展開されて、世代を超えた戦いと人間ドラマが絡み合う構成になっているんだ。
人類が生き延びるためにどのような決断をするのか、そして「生存」そのものに何の価値があるのかという哲学的な問いを投げかけてくる。
種の存続をかけた選択に迫られる登場人物たちの姿を通じて、読者は人間としての本質や価値観を考えさせられるんだ。
『天冥の標』は、SFファンだけでなく、重厚なテーマや複雑な人間ドラマを楽しみたい読者にとっても、心に残る作品だよ。小川一水の緻密な構成力と深い洞察力で、壮大な未来の人類史が描かれた傑作なんだ。
【24位】紙の動物園/ケン・リュウ
「紙の動物園」の主人公は、アメリカで育った中国系アメリカ人の少年ジャック。彼の母親は、彼のために「折り紙」に魔法のような力を込め、動き出す紙の動物たちを折ってプレゼントする。ジャックは幼い頃、その動物たちを大切にしていたが、成長するにつれて周囲との違いに悩み、母親や自分のルーツを疎ましく感じるようになる。やがて母が病気で亡くなると、母の思いが詰まった「紙の動物園」の真実に気づき、自分の中に受け継がれた愛情やアイデンティティと向き合うことになる。
『紙の動物園』は、ケン・リュウの短編集で、表題作「紙の動物園」をはじめとした、異文化や家族愛、人間性を深く掘り下げた作品が収められているよ。
タイトルにもなっている「紙の動物園」は、ヒューゴー賞、ネビュラ賞、世界幻想文学大賞を同時受賞した唯一の短編で、ケン・リュウの名を一躍有名にした作品なんだ。
ケン・リュウは日常の中にファンタジーを織り交ぜて、異世界や未来にリアリズムを加えた独特の作風で知られているんだ。
他の収録作はSF、ファンタジー、歴史小説などさまざまなジャンルの物語で、現代社会への問いかけや倫理観、未来への想像力が詰まっているよ。どの話も、切なくも温かい感情を呼び起こす構成で人間ドラマが好きな人におすすめする本なんだ。
【25位】デューン砂の惑星/フランク・ハーバート
物語は、銀河帝国に属するアトレイデス家の若き公子ポール・アトレイデスが、過酷な砂漠の惑星アラキス(デューン)に移住するところから始まる。アラキスは、宇宙で最も価値のある物質「メランジ」またの名を「スパイス」の唯一の産地であり、その資源を巡って数多の勢力が狙う惑星だ。アラキスの支配権を手に入れたアトレイデス家は、敵対するハルコンネン家の陰謀により追い詰められ、ポールの父である公爵が暗殺されてしまう。ポールは母ジェシカとともに砂漠に逃亡し、アラキスの先住民フレーメンと合流。砂漠での過酷な生活を通じて成長し、やがて惑星を支配するだけでなく、銀河の運命を握る存在へと覚醒していく。
銀河帝国を舞台に家族の復讐、政治的陰謀、エコロジーといったテーマが交錯する作品。1965年の発表以来、SF文学の傑作として称えられ、のちのSFにも大きな影響を与えたんだ。
スパイスっていうのは、寿命を延ばして、未来を予知する力を与える物質なんだ。だからみんなこぞって欲しがるものなんだよね。
エコロジーや宗教、資源争奪って現代社会にも通じるテーマだよね。
この小説は映画化が難しい作品とされていて、一度目は映画化断念、ようやく映画化されたと思ったら批判の嵐、その次に映画化されたものがやっと評価を得た作品なんだ。
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前半のまとめ
僕の独断と偏見で選んだ50作品の25位までを紹介したけどどうだったかな?
名作中の名作も入ってたし、なんでこれが入ってないんだーって思った人もいるだろうね。
SFって言っても、サイバーパンクものや宇宙進出、はたまた日常生活にフィクションを少し与えたもの、戦闘ものや人間ドラマのもの、色んな種類があるよね。
SFってだけで何となく苦手意識がある人も、きっと読んで面白いと思う作品はあるはずだよ。
それでは後編でまたお会いしましょう!
またねー!
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