もちもちおもちのおもち君だよ。
今日はガゼットの紹介だよ!
80年代〜90年代がビジュアル系黄金時代だとしたら、2000年前後は第2次ビジュアル系黄金時代と言ってもいいよね!
この頃、音楽雑誌によく出ていたバンドと言えば、DIR EN GREY、蜉蝣、ムック、メリーそして今回紹介するガゼットなどなど、ほとんどが今も活躍中のバンドなんだ。
ガゼットについて
2002年に結成した5人組ビジュアル系バンド。
バンド名はカセットテープ(デモテープ)のような古き良き物を今に伝えるという意味が込められている。
歌詞はボーカルのRUKIがほとんど作っていて、CD制作の際はメンバーが持ち寄ったデモの中から選出している。
当初、作曲・編曲のクレジットは「大日本異端芸者の皆様」と表記されていて、バンド名も「大日本異端芸者ガゼット」とキャッチコピーと共に名乗っていたんだけど、メジャーデビューに合わせる形で「大日本異端芸者」という名前はなくなり、「the GazettE」とバンド名の表記を変更して、作曲・編曲クレジットも「the GazettE」に統一された。
大日本異端芸者を名乗っていた初期はいわゆる厨二病に近い楽曲が多くて、タイトルも漢字+カタカナでだったり、黒歴史時代の詩のタイトルのようなものも存在する。
「大日本異端芸者というキャッチコピーは早く捨てたかった」とメンバーが語っていたこともあり、つまりはバンドが厨二病を患っている青年期から脱し「死とは何か、生とは何か」など哲学的なことを考える大人へとなっていったんだと僕は感じた。
※僕は自分自身のことを厨二病だと思っているから、ここに書いてあることは批判ではなくむしろ肯定であると理解していただけたら幸いです。
インディーズ時代はDIR EN GREYのパクリだと揶揄されたりしていたね。
有名になればそれだけ批判する者も増える。
ちなみにDIR EN GREYは黒夢のパクリだと言われていた。(全然似てない・・・)
僕がこの2つのバンドの曲を聴くかぎり、雰囲気が似ている曲はたしかに存在するけど、パクリと言うほどのものではないし、それぞれ個性のあるバンドだと思っているよ。
ただ、曲の雰囲気が時期で変化していく方向性が似ているというのは感じられる。
2024年4月15日に、ベースのREITAが亡くなった。
死因は公表されていないんだ。前日のXの投稿が意味深だと言われていて自〇じゃないかと噂されているけど噂にすぎない。
ガゼットのメンバーみんなにそれぞれ熱狂的なファンがいるけど、れいたも勿論そうで、今では古参となったガゼットはビジュアル系バンドの中でも特に有名なバンドだからこのニュースに世間は驚いたよね。
れいたなしのガゼットは考えられないとか、解散するんじゃ?って声もあったけど、メンバーはXでれいたが呟いた「the GazettEは永遠であってほしいと願う」の言葉を受け止めて活動していくとしている。
the GazettEは永遠であってほしいと願う
— REITA_the GazettE (@gazette05Reita) April 14, 2024
古き良きおすすめの名曲10選
今回は僕の最も好きな2002年〜2009年の間の曲(インディーズ時代〜メジャーデビュー初期)の中からおすすめの10曲を紹介するよ。
この頃の曲はキャッチーなメロディーとわかりやすいバンドサウンドで、シャウトはほとんど使ってなくとても聴きやすいものが多いのが特徴なんだ。
今とは全然歌い方も声も違うし、いかにもビジュアル系!っていう感じなんだけどそこがまた好きなんだよね。
PVを載せたかったけど公式にものがなかったから気になる曲は個人でご覧あれ。
いつもみたいに歌詞の意味とか考察も載せていくよ。
貴女ノ為ノ此ノ命
タイトルからして厨二病感を感じるガゼットの人気曲。
引きこもりで根暗な僕が、お人形遊びを止めて盗撮を始めたらレンズ越しの貴女(きみ)に恋をしてしまうというお話。
恋をしてしまうけど僕は胸が苦しいとか痛いとか、傍にいるのに触れられないのが悲しいと嘆くばかりで実際に何か行動に移すわけではない。
そして最後に、これは全て妄想ですというオチだ。
歌詞だけ見るととても痛い曲だけど、実際曲を聴いてみると激しく単調気味なメロディーの間にある切ないフレーズが心に刺さる。
とくに1番のサビが終わってからの間奏明けのメロディーは歌謡曲テイストの哀愁と悲嘆に満ちていて、それまでの単調さとのギャップで一気に心を惹きつけられる。
別れ道
ガゼットのデビューシングル。
恋人がすれ違いによって別々の道を歩むことを決意するという別れの歌。
アップテンポで軽快な曲なのに、切ない気持ちになる。
喧嘩ばかりの毎日だったけど、本当は好きで好きで仕方ない。
でもお互いのことを考えると別れた方がいいと結論に至るという王道失恋ソングをガゼットらしいテイストに仕上げている。
幸せな日々
2003年11月に発売された3枚目の3曲入りシングル「午前0時のとらうまラヂヲ」の中の一曲。
さっき紹介した「別れ道」に出てくる男女の女性視点での曲で、2曲を聴くとどうして別れることになったのかがよくわかる。
「別れ道」と比べて少しだけテンポが遅く、歌い方もねっとりとした女性っぽさがある。
ザクロ型の憂鬱
2004年7月に発売された4枚目のシングル曲。
ざっと聴くと何かの病気で入院している僕といつも見舞いに来る彼女のお話なんだけど、曲後半の台詞を読むと、彼女が死んでしまっていることがわかる。
病気の僕を生かすために死んだ彼女。
調べていくとどうやらこれは心臓移植をテーマにした曲らしく、つまり彼女は僕のために死んだ、ということだ(普通に生きたまま心臓移植はできないから)。
曲は明るい感じで軽快な印象なんだけど、内容はとっても切ない。
イントロや曲中には心電図の音が入っていて、そこからも病床が舞台になっていることがわかる。
七月八日
「別れ道」の別れから2年後のことが書かれた作品。
男性視点の歌詞で、ある日まだ忘れられない彼女のことを見かけたんだけど、彼女は新しい恋人と手を繋いで歩いていたという切ない終わりを迎える。
この曲を聴いて気づいたのはサビのコード進行が「別れ道」と同じであるということ。
同一人物の歌ということを意識してあえて同じコード進行にするという遊び心が面白い。
コード進行って何?という人は、「七月八日」のサビのところで「別れ道」のサビを同時に歌ってみてね。うまく重なるはずだよ。
さらば
ガゼット流反戦歌。
タイトルの「さらば」とは、昔日本の国のために戦争で死んでいった人たちへの言葉。
ビジュアル系バンドはよく戦争や社会問題をテーマにした曲を作る。
人間の闇の部分を歌うとなると、必然的にそういったテーマが出てくるのかもしれない。
反戦の声はいつまで経っても届かない
教えて、何故同じ人間同士が争うの?出典:作詞 流鬼 作曲 大日本異端芸者の皆様「さらば」/the GazettE より
ほんとに、どうして同じ人間同士が争うんだろうね。
今日本は戦争は起きていないけど、今後戦争になる可能性はある。
そうならないと今がどれだけ幸せで恵まれた環境にいるのかがわからないんだよね。
戦争が起きてる国では生きるか死ぬかしか選べなくて、自由なんて1つもない。
僕たちは平和ぼけして、くだらないことで争ったり、家族をないがしろにしたり。
そういったことが「さらば」では歌われているよ。
花言葉
自分をやがて枯れゆく花にたとえたミドルバラード。
貴方は何時も通りすがる度に優しく撫でて呉れた
雨の無い日は水を呉れた 強く生きる様にと
貴方は何時しか姿を消し 私はまた一輪虚しく咲く出典:作詞 流鬼 作曲 大日本異端芸者の皆様 「花言葉」/the GazettE より
私が片思いをしている貴方は道端に咲いた花にも水を呉れるような優しい人間だ。
しかしいつの間にか姿を見せなくなった貴方。
枯れるだけの花に呉れる水などない
腐るだけの花に注ぐ光などない
ただ死期に怯えながら闇の中這いずり回る
今光探しながら闇の中這いずり回る出典:作詞 流鬼 作曲 大日本異端芸者の皆様 「花言葉」/the GazettE より
自暴自棄になりながらも生きようと光を探す私。
貴方なら貴方だったら
此処から助けて呉れると思っていた出典:作詞 流鬼 作曲 大日本異端芸者の皆様 「花言葉」/the GazettE より
「私」は「貴方」に依存していた。
貴方だったら私をこの闇から救ってくれると思っていた。
こんな私にいつも優しくしてくれた貴方。
だけど貴方にとって私は特別な存在ではなく、誰にでも優しい存在だった。
ただただ切なく苦しい歌詞。
依存される人間ってだいたい誰にでも優しい人なんだよね。
優しくされた側は自分だけに優しくしてくれていると勘違いする。
優しいっていうのは罪になることもある。ただただ相手を非難しないとか、受け入れる優しさって時には人を傷つけることにもなる。
東京心中
恋人の夢のために一緒に上京し、2人で暮らすことを決めた女性のお話。
でも東京での生活はうまくいかなくて、最後は2人で心中してしまう。
レトロポップで歌謡曲のようなメロディーと合間に入る語りが演歌を思わせる。
泣ヶ原
イントロから暗く悲しい世界観をかもしだす「泣ヶ原」はこれまでの曲の歌詞に比べ難しい漢字や表現が多く暗喩的な歌詞になっているため何のことを歌っているのかすぐにはわかりづらい。
この曲はインターネット世界を描いた曲で、実名も晒さずに人を傷つけることも容易いネットの闇に溺れていく、っていう内容なんだ。。
「泣ヶ原」は戦争に行った人を待っているという言い伝えのある場所で、戦争に行った人を待ち続ける孤独感とネットで孤立していくというイメージが重なったことからこのタイトルがつけられた。※1
本来の「泣ヶ原」のイメージも曲に混ぜているのか、サビ前の間奏からは琴の音色が響き漢字の使われ方などを含めどことなく和を感じる曲に仕上がっている。
曲の最後にはキーボードを叩く音が入っている。
※1『Neo genesis』Vol.37、36頁より
紅蓮
CMに使われたこともあって知名度の高い曲。
生まれることのできなかった子供について書かれた曲で、命の尊さを歌っている。
イントロには赤子の心臓の音(もしくは羊水の中で聞こえる母親の鼓動)が入っている。
「BURIAL APPLICANT」と対になっていて、「紅蓮」は親の視点、「BURIAL APPLICANT」は子供の視点で描かれている。
メロディーも秀逸なんだけど、とくに最後のサビ前のツインギターがまるで歌っているかのように鳴っていて、クライマックスに向けて感情を高ぶらせてくる。
まとめ
今回紹介した2002年〜2009年のガゼットの曲は、どこか懐かしくも感じる歌謡曲風なメロディーと、恋愛や別れの曲をわかりやすく歌っているよ。
ストーリー性もあって、シャウトもほとんど入っていないからとても聴きやすい曲ばかりなんだ。
病みすぎてるビジュアル系はちょっと苦手っていう人にもガゼットはおすすめのバンドだよ。
聴いたことない人はまず「紅蓮」を聴いてほしいな。
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