
もっちー!今日は殺人鬼フジコの衝動っていう小説を読んだ感想を書いていくよ!
「殺人鬼フジコの衝動」は昔X(旧Twitter)で読書垢のみんなに鬱になる救いのない暗い小説のおすすめを教えてもらった企画で、一番得票数の多かった小説なんだ。
おすすめしてもらった本をいくつか読んだんだけど、全部もれなく面白かったから今回も期待して読み始めたよ。
この記事はネタバレを多く含むからネタバレされたくない人はブラウザバッグしてね!
「殺人鬼フジコの衝動」について
『殺人鬼フジコの衝動』は、真梨幸子さんの小説で2008年12月に徳間書店から刊行された書き下ろしミステリーで、50万部を超えるベストセラー本なんだ。
フジコシリーズと呼ばれる本が他にもあって、限定版の「殺人鬼フジコの衝動」についていた「私は、フジコ」、「インタビュー・イン・セル 殺人鬼フジコの真実」、「フジコの十か条」の4冊だよ。
「インタビュー・イン・セル 殺人鬼フジコの真実」では「殺人鬼フジコの衝動」では明らかになっていないことが書かれてあって、この二冊で完結みたいなものらしい。
今回は「殺人鬼フジコの衝動」だけの考察をネタバレ有で書くよ。
「殺人鬼フジコの衝動」のあらすじ
あらすじは訳あって各章ごとに書いていくよ!理由はまた後程。
ここではあらすじだけで、あらすじ以外のネタバレ要素は「殺人鬼フジコの衝動の叙述トリック」の章から書いていくよ。
1章
金遣いが荒く、給料のほとんどを娯楽や趣味に使い、子どもにかかるお金は最小限で済ます。
そして暴力も・・・。親から虐待を受けている姉妹の話から始まる。
学校でもいじめに遭っているわたしはK君とK君が従っている中学生グループにも性的虐待を受ける毎日。
心神喪失状態のわたしは、追いかけてくるK君を線路に誘導し、殺害する。
しかしそれを自宅のバルコニーにいた何故か血まみれの母親に目撃されてしまう。
2章
家のドアを開けると足元にはお父さんの頭があった。
部屋は血の臭いが漂っている。
ドアの隙間から人影が見え、その人影がわたしの方へ向かってくる。
ピンク色の口紅をしたその人はわたしを部屋の奥へと誘い、
「これは業ね」と言う。
母親のような人生しか待っていない。ならばここで死ぬ?とわたしに話し、首に刃物を当ててくる。
外ではサイレンの音が響きどんどん近づいてくる。
気を失い、目が覚めると白い手がわたしの手を握っていた。
嫌なことは全て忘れて一から始めるの、とその人は言いわたしは再び目を閉じた。
3章
森沢藤子は両親と妹を殺害され、叔母の茂子に引き取られた。
転校先の学校では生徒はさほどそのことには触れてこなかったが、大人はフジコのことを可哀想な子と哀れんでいた。
フジコは悲しそうな表情をすると同情をすぐ買えるということを知り、大人たちをいいように扱うようになる。そして心の中では、大人ってチョロいとバカにしている。
クラスのある女子グループの一員となったフジコはそのグループのボス的存在のクーコと二番手のみさりんに何とか気に入られようとする。
クーコは見た目も良いわけでもなく、成績も良くないのだが何故かみんなが従っていることに疑問を持ちつつも、フジコもクーコの言うことには逆らえないでいた。
ある時クーコはレコードが欲しいとフジコに言う。フジコは叔母の茂子のへそくりを持ち出しレコードを買うことはできたものの、熱を出して翌日学校を休む。
すると約束の日に学校を休んだフジコのことをクーコは嘘つきと罵りグループから外されることに。
そんな中、クラスで迷子のカナリアを飼うことになり、日直であるフジコが世話をしに行ったところ、カナリアは首を切られて死んでいた。
それをクラスの優等生、コサカさんに見られ、フジコがカナリアを殺したと思われてしまう。
フジコはカナリアをバラバラにして捨てて隠ぺいしようとするが翌日用務員によってバラバラのカナリアが発見される。
しかし持ち物検査でクーコのカバンから殺虫剤が見つかり、カナリアを殺しバラバラにしたのはクーコだと誤認識されることになる。
コサカさんは先日あったテストをフジコがカンニングで高点数を出したことも知っていて、カンニングのことも、カナリアのことも、正直に先生に言おうと迫ってくる。
しかし、それを良しとしなかったフジコは勢いでコサカさんを殺してしまう。
4章
コサカさんのこと以来、何故かフジコは絶好調だった。
中学時代は良い成績の子たちと付き合いフジコはいい子として大人から認識されていた。
クーコのレコードを買いに行った時の店員だった裕也と交際をしていて、裕也は大学を出て司法書士の試験を受けると言っていたが、フジコの進路の話の時には何故か歯切れが悪かった。
高校生になったフジコは短期アルバイトで杏奈と友達になり、杏奈の家によく遊びに行くようにもなっていた。
裕也はセックスのあとすぐに服を着てしまったりそっぽを向いてしまう。
それが大人のセックスなのだと言い聞かせるが、自分のことを好きなのかどうか不安になっていくフジコ。
そんな時、杏奈と裕也が浮気していることを知る。
裕也に問い詰めるも、逆ギレされ、なかなか連絡も取れなくなっていた。
ある日、杏奈からちゃんと話がしたいと言われ、杏奈の家に行くと裕也の車も止まっていた。
やっぱり浮気をしてるんだと怒り杏奈の部屋に入ると、杏奈は倒れ、裕也が杏奈を殺してしまったということがわかる。
裕也は杏奈のことが好きだったが、杏奈はフジコを裏切るのは良くないと思い裕也に別れを切り出していたが、裕也が納得できず口論になり衝動で首を絞めて殺してしまったのだった。
実は杏奈はこの時まだ死んではいなかったが、フジコが裕也が動揺している間にとどめを刺し殺害。
裕也は捕まりたくないと言い、フジコはそれをいいことに杏奈の死体を二人でバラバラにして罪を共有することで裕也を支配することに成功する。
バレなければ何もなかったのと同じこと。
フジコはカンニングやカナリアのこと、コサカさんのこと、全てバレずに終わったことでそういう思考に至っていたのだ。
フジコは裕也の弱みを握ることで無理矢理結婚することに成功し、裕也の実家で一緒に暮らすことになる。
5章
結婚して裕福な家庭で暮らす、というのは夢に終わった。
裕也の実家が資産家だというのは昔の話で、今は貧乏生活。
おまけに義父はギャンブル三昧でフジコにもきつく当たり、義母は裕也を甘やかしパチンコに行かせている。
働け働けと言われ職安に通うも、未成年で中卒のフジコにはなかなか仕事がなかった。
フジコはこの環境で生きていくのに耐えられなくなり、裕也と子どもの美波と三人で暮らすことを決める。
職安に行っている時、ある保険会社の女性から会社に入らないかとスカウトをされ、引っ越し代も払ってもらっていた。その保険会社で働くことにしたものの、試用期間を過ぎると、勧誘のためのものは自費で払い、契約をとるために身銭を切ったりとしなければならなく、稼ぎはほとんどなかった。
保険会社だけでは生活できないフジコはスナックでバイトをし、時には売春寸前の行為をすることもあった。
裕也はバンド活動を始めたが、家にメンバーを集めて飲み食いすることもあり、その間美波は押し入れに入れていた。
裕也は働きもせず、好きなことばかりしているのにも関わらず、美波が邪魔だということを言い、フジコは裕也は一切美波に関わらないでいいと言い、美波を押し入れで生活させることにする。
フジコはどんどんストレスが溜まっていき、また裕也に邪魔者扱いされた美波のことも愛せなくなり、育児放棄を始める。
一方自由奔放そうに見える裕也も、杏奈を殺してバラバラにしてしまったことで心が壊れており、楽になりたいと自首をしようとする。
フジコは裕也を殺害、その後、放置して体の一部が腐敗している美波もバラバラに。
6章
その後フジコは殺人の衝動が頻繁にくるようになり十人近くを殺していた。
そして殺した男の金を奪い、整形を重ねることになる。
自分に寄ってくる男がしょうもないのは自分が不細工だからだと思い、整形し美人となればそれ相応の良い男が寄ってくると考えたのだ。
7章
整形を重ね一時の美貌を手に入れたフジコは銀座のホステスになり、青年実業家と交際し裕福な暮らしをしていた。
そんな時、育ての親である叔母の茂子が現れる。
茂子はテレビ番組でフジコが映っているのを見て、だいたいの居場所を知り会いにきたのだ。
裕福な暮らしをして幸せだと言うフジコに最初は安堵していたが、娘の美波が死んだことを知った茂子は、フジコが本当の幸せを手に入れたとは思えなかった。
哀れな眼差しを向ける茂子に、そんな目で見ないでと、茂子に高価なものをあげようとするも、茂子は何もいらないと言う。
自分を育てるのに使ったお金も全て茂子に返すと言うがそれも断れれてしまう。
恋人の英樹との間には子どもがいて、名前は早季子と言う。
英樹は既婚者であったが正式に離婚が決まり、フジコと結婚することになる。
フジコが欲しいものは何でも与え、早季子の他にも子どもが欲しいと、フジコにゾッコンだった。
8章
幸せな生活は長く続かなかった。
英樹の会社は倒産し、工場勤めの普通の生活になってしまった。
フジコたちは赤坂の高級マンションから都心から離れたマンションへ引っ越した。
そこは電車が近くを通っていて、電車が通る度に揺れる欠陥マンションだとフジコは気に入らない様子だった。
しかし金持ち生活から転落したとは誰にも言えず、付き合いのある人間には自分は金持ちだと装い、お金を得るために強盗殺人を繰り返していた。
娘たちの給食費も払えずに、また直接文句を言ってこない早季子に対して余計腹立たしくなり虐待もするようになっていた。
そんな時、またしても叔母の茂子がやってきて、さっきフジコの家から出ていった化粧品のセールスの人は、コサカさんの母親だということを告げられる。
そして茂子は保険金は自分が払うから、契約の名前だけ貸してほしいと言い、フジコは自分と旦那の名前を好きに使えばいいと判子を渡した。
そんな生活をしている時、英樹の会社に警察がやってきた。
英樹は「人を殺したのか?」とフジコに問い、フジコは半狂乱状態になる。
その時、外から電車の警笛が聞こえベランダから線路の方を見ると、娘の早季子とコサカさんの母親が一緒にいた。
9章
線路脇でK君を抱きかかえた化粧品セールスのおばさんが早季子の名前を呼んで近づいてくる。
K君に怪我はなく、そのまま帰らせた。
早季子は「あんなやつ死ねばよかったのに」と言うがセールスのおばさんは「人の死を望めば自分の人生を差し出すことになる」と否定する。
おばさんの話を聞いているとふと母親の顔が思い浮かび、マンションのベランダの方を見上げるとそこには母がいた。
二人はマンションとは別方向に歩いていった。
「殺人鬼フジコの衝動」の叙述トリック
ここからは完全なネタバレがあるから見たくない人はブラウザバックしてね。
まず、あらすじを各章で書いていったけど、ここで注目してほしいのは、誰の話なのかだ。
実はよく読むと、1と2章は一人称が「わたし」で、名前は表記されていない。
妹、母親、父親、も登場するのだけどその誰も名前は明かされていない。
3章からは急に主人公の名前が「森沢藤子」だということがわかる。
それからフジコの話が続いて9章になると、1、2章に登場した数少ない名前表記があったK君が登場する。
追いかけてくるK君を線路に誘導して、K君が泣いているところから9章は始まる。
K君というのはもちろん1、2章で登場したのと同一人物だ。
そして9章では「わたし」はセールスのおばさんに「早季子ちゃん」と呼ばれることで、「わたし=早季子(フジコの子ども)」ということが判明する。
多くの読者は1章から登場する主人公はフジコだと思わされてストーリーを追っていくはずだね。
それが9章になって、これはフジコとフジコの子どもの早季子の2人の話が混ざっていることに気づかされるんだ。
これは1章の前に、はしがきがあって、この物語は「殺人鬼フジコ」と呼ばれた女性の一生を再現記録した小説で、これを書いた作者は苦悶の末自殺してしまい、原稿を渡された自分が出版を決意した、という内容からもうかがい知れるよ。
つまりこの「殺人鬼フジコの衝動」という物語は、フジコと早季子のことを知っている人間が書いた記録小説であるということなんだ。
では、この本の作者は誰なんだろうか??
フジコと早季子のことをここまで緻密に描くことができるのは誰なんだろうか?
その答えが、あとがきにある。
「殺人鬼フジコの衝動」を執筆したのは、早季子なんだ。
そしてその原稿を渡されたのは、妹である美也子。
早季子はフジコの逮捕後、フジコの叔母である茂子に引き取られ、美也子は別の養父によって育てられることになる。
早季子は茂子が入信している教団で「殺人鬼の娘」として広告塔になり、教団の依頼で母フジコの小説を書き始めることとなる。
しかし出来上がった原稿は教団には渡さず、美也子に渡した。
この小説を書くために、早季子はフジコの裁判を傍聴したり取材をしているんだけど、早季子は恐らく真実に近づいてしまったために、教団には小説を渡さなかったんだと思う。
その真実とは・・・
これもあとがきに書いてることになるけど、フジコの両親が死んだ時、フジコが逮捕された時(フジコは夫を殺害している)、両方とも茂子が保険金を受け取っているんだ。
保険金をかけた相手がこんなに都合良く死ぬものだろうか?
しかも両方殺人によって、だ。
つまり、この悲劇を起こしたのは茂子なんじゃないかって早季子は気づいて原稿を渡さなかったんだと思う。
この2つの殺人事件を叙述トリックによって1つに見せかけたのは、茂子が怪しいということを読者に悟らせないからじゃないだろうか。
「殺人鬼フジコの衝動」の最後の1行がヤバい
あとがきには、美也子が早季子と離れて暮らしてから再会するまでの出来事や、どうして早季子がフジコのことを調べ、本を書いているのか。
そして早季子は自殺未遂をし、後遺症に苦しみながら原稿を書き上げ死に、その翌日に原稿は美也子の元に届いたことなどが書いてある。
更に、フジコの事件のことを追っていた記者が殺害され、その記者が残したメモにはピンクの口紅と記されていたんだ。
ピンクの口紅と言えば小坂さんのお母さん(化粧品のセールスのおばさん)と、その試供品を貰っていた叔母の茂子に行きあたる。
更に更に、フジコが殺してしまった小坂さん(娘)は母親から虐待され、自分自身も小動物を虐待し、あのカナリアも小坂さん(娘)が殺したことが判明する。
フジコの親、フジコの夫が死んだ時に保険金を貰っている茂子。
茂子の入っている教団に誘われて入った小坂初代さん。
初代さんに虐待され、自身も小動物を虐待していた初代の娘コサカさん。
事件を追っていた記者が残したピンクの口紅というメモ。
全てを知った美也子は、姉の早季子はもしかしたら殺されてしまったのではないか、という疑念を抱き、真相を確かめるべく茂子と初代に会いに行くことを決める。
ここであとがきは終わりなんだけど次のページにはこう書いてある。
小説家高峰美也子さん(二十三歳)の遺体の一部が、神奈川県足柄上郡の山林で発見された。ーー以下略ーー
「殺人鬼フジコの衝動」より/真梨幸子
ここを読んだ時まじでゾクっとしたんだよね。
というのも、「殺人鬼フジコの衝動」の作者は真梨幸子さんってことを知らないで、というか作者見ないまま読んじゃったもんだから、ガチで実話だと思ってたんだよね。
美也子が「殺人鬼フジコの衝動」の作者さんなんだって思ってたから、いやこんなん作者が死んだら大事件やんこわっって思ってたんだけど、作者は真梨さんやーん。
これね、はしがきで、実話を元にした物語ですって書いてあるからまんまと騙されたよね。
この本に書かれている解説以外の全てはフィクションなんだよ・・・。
あーびっくりした。
僕と同じように騙された人結構いたんじゃないかな。
ウェブ検索でさ、「殺人鬼フジコの衝動」って打つと予測変換で実話って出るんだよねww
実話じゃないよーーーーーー!!
ただモデルになった事件はあるみたい。
ということで最後の一行がやばすぎたわ。
「殺人鬼フジコの衝動」の衝動とは
フジコは最初自分を守るために人を殺していたんだけど、途中からは自分の欲望のために人を殺していくようになるんだ。
最初の殺人は同級生のコサカさん。自分がカナリアをバラバラにしたことを知っていたコサカさんが邪魔になって口封じのために殺害。
その殺人の経験から、悪いことをしてもバレなければ大丈夫という考えに至るようになってしまう。
大人になってからはお金のために見境なく殺人を重ねていくのだけど、そこまで読んだ読者は、こうなっても(殺人鬼と化しても)仕方ないよね、という変な許しをフジコに与えてしまう。
何故なら幼いころ辛い経験をしているから、人格がおかしくなっても仕方ないよねってことなんだけど、ネタバレでも書いたように、読者がフジコの幼少期だと思って読んでいた部分は、フジコの娘の話なんだ。
何故フジコの話の前にわざわざ叙述トリックを使ってフジコの子どもの話をそこに入れたのか。
それは、今書いたように、フジコが殺人鬼となってしまったことに対する違和感を緩和するため、ということと、フジコの娘である早季子がフジコと同じような人生を送ってしまっても仕方がないという二重の意味があったと思うんだ。
あとがきで、早季子の妹の美也子は、フジコも早季子も「as if personality」の傾向があったことを書いている。
その場その場の空気に従って振舞うことができる高度な適応力を持ち合わせていながら、自分というものをまったく持っていないがため、いつでも仮のパーソナリティを演じなければならないという傾向である。
殺人鬼フジコの衝動/真梨幸子 P412より
「as if personality」についてはまた別の記事で詳しく掘り下げようと思うんだけど、人は誰しも仮面をつけて生活してるよね。
子どもの前では親という仮面をつけて、仕事に行けば社会に出る仮面をつけて、そうやって人は場面で仮面をつけかえて生きている。
それは仮面であるからつけるもはずすも自由であるはずなんだけど、その仮面がもしはずれないとしたら??
仮面が本当のパーソナリティになっていくし、本当の自分はいつまでも出てくることができなくなっていつしか本当の自分がいないような感覚になっていく。
それが「as if personality」の傾向なんだ。
フジコに関して言えば、いい子というパーソナリティで生きていたのにコサカさんによってそのパーソナリティが危うくなってしまう。
「as if personality」は作り上げてきた仮の人格が否定されると精神がかき乱され、混乱し、怒りを覚え、不安になる。
そして何とかしなければという不安定な精神が、手っ取り早く解決する方法、つまり殺人に至らしめてしまったんだ。
よく、悪事を働いた人がバレそうになって口封じのために人を殺すって話があるけど、フジコの衝動はもっと心の奥底から湧き上がるもので、バレたら捕まるかもとかいう次元ではなく、バレたら、自分が崩壊してしまうような恐怖に襲われるんだ。
結局その後も、表面上はお金のために殺人を続けるけど、本当はお金そのもののためではなく、理想の自分像を作り上げ維持するために必要なものがお金だったというのが正しい理由なんだよね。
美人になればいい男がよってくる、いい男が寄ってくれば散々お金に苦労していた自分ともおさらばできる。
だから整形のためにお金を使い、実業家の夫を持ち、夫の会社がダメになると周りに悟られないように人を殺してきた。
それをはっきりと言葉で書いているわけじゃないけど、読者はただの快楽殺人者を見るような目ではなく、被害者の成れの果てという同情じみた目でフジコを見る。
そういう感情を読者に抱かせるところがこの作品の素晴らしいところだと僕は思う。
まとめ
この本を紹介された時は、どんな残酷な殺人鬼が登場するんだろうという気持ちだったんだけど、読み終わってみると、ただの殺人鬼の話じゃなくて、人間の精神を描いた深い作品だったなと感じたよ。
僕にとっては共感できることだらけで、またその辺については別の記事で書こうと思う。
ここまで読んだ人は恐らく「殺人鬼フジコの衝動」を一度は読んだことある人が多いだろうから、僕の記事で少しでもより理解が深まってくれたら嬉しいな。
それではまた次の記事でお会いしましょう!
またねー!!バイバイ!
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